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阿波和三盆の製糖所

阿波和三盆をつくり続ける製糖所は、いま日本に二件だけ

甘さは、ただ強ければいいわけではありません。
日本には、甘さを「削ぎ落とす」ことで完成する砂糖があります。
それが、阿波和三盆糖です。

江戸から続く、日本独自の製糖文化

阿波和三盆の歴史は、江戸時代にさかのぼります。
徳島の風土で育つ在来種のサトウキビ「竹糖」を原料に、
**研ぎ(とぎ)**と呼ばれる独自の工程を何度も繰り返すことで、
角のない、やさしい甘みを生み出してきました。

この製法は、効率や大量生産とは無縁です。
時間をかけ、人の感覚で仕上げることを前提とした、
日本ならではの美意識が息づく技術と言えます。

製糖所は、たった二件だけという現実

かつては徳島・香川を中心に、
阿波和三盆をつくる製糖所は複数存在していました。

しかし、

  • 手作業中心で非効率
  • 後継者不足
  • 時代の大量生産志向

こうした要因が重なり、
現在、伝統製法を守り続ける製糖所は日本に二件のみとなっています。
これは「人気がない」からではありません。
むしろ、守ることがあまりにも難しい技術だからこそ残らなかったのです。

手仕事でしか生まれない、甘さの質

阿波和三盆の最大の特徴は、
「甘い」のに「残らない」こと。

これは、

  • 卵や素材の香りを邪魔しない
  • 舌にまとわりつかない
  • 余韻だけが静かに続く

という、非常に繊細なバランスの上に成り立っています。

この質は、
機械化や効率化では決して再現できません。
人の手と経験があって、初めて成立する甘さなのです。

阿波和三盆は「生きた文化遺産」

阿波和三盆は、単なる高級砂糖ではありません。
それは、

  • 江戸から続く製法
  • 日本独自の味覚
  • 失われつつある手仕事の知恵

これらが結晶した、生きた文化そのものです。

製糖所が二件しか残っていない今、
阿波和三盆を味わうことは、
日本の文化を未来へつなぐ行為とも言えるのかもしれません。

まとめ

阿波和三盆の価値は、
「希少だから」ではなく、
守り続けてきた時間と覚悟の重さにあります。

静かな甘さの奥にある物語を、
ぜひ一度、感じてみてください。

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